201577

安全向上に関する役員会の決議事項

 

1.      サブリーダーの決定

A)     山行リーダーは、必ず山行中のサブリーダーを決める。決定のタイミングとサブリーダーの役割は山行形態により異なるので一律には決めないが、なるべく早く決めリーダーとサブリーダーの役割や所持品(ロープ等)分担等も事前に決めるのが望ましい。遅くとも、当日山行開始前には決める。

B)     山行中、リーダーかサブリーダーはグループのしんがりを務める。

2.      山行参加者の必携アイテム

A)     山行参加者は、事前に下記の携帯品を取りそろえ、山行に携帯する。

B)     山行に参加するものとして、雨具、寒さ対策の衣類、ヘッドランプ、食料と水、常備薬、磁石、地図、は必須。

C)     緊急用(エマージェンシー)バッグを常時携帯する。
中身は山行によって異なるので一概には言えないが、下記の物を推奨する。

     ケガ対策:各サイズのバンドエイド、足がつった時の特効薬(芍薬甘草湯)、消毒薬、三角巾、手袋、

     藪山用:笛、赤テープ、シュリンゲ、眼鏡(ゴーグル)

     その他のアイテム:高度計、ガムテープ、マッチ(ライター)、虫さされ、ツエルト、レスキューシート

D)    縦走山行、冬山・残雪期の山、沢等はリーダーに確認し、慎重に事前に携帯品を確認する。

3.      実践に即した、ロープワーク等の練習

A)     毎年秋の「新入会員歓迎山行」で実施する。

B)     新入会員のみならず、ロープワーク等を学びたい人は積極的な参加を歓迎。

4.      安全のための本の配布、推薦書籍の紹介、学習会や研修会の紹介

A)     「百万人の山と自然 安全登山ハンドブック」(日本山岳ガイド協会)を全員に配布する。

B)     推薦図書(登山や山道具の基本を知る):

     「講座 登山<基礎>」公益社団法人日本山岳ガイド協会20134月 税抜1200 B5版程度 全87頁  ※好日山荘で扱っています。

     安全登山マニュアル(入山・下山の総合チェックシート)(日本勤労者山岳連盟、100

     「中高年の安全登山入門」(岩波アクティブ新書)岩波書店20045月 税抜740 新書判 全188頁 ※出版元品切れのようで新本入手は難しいかも。

     「登山読本」(山と渓谷社)横山厚夫

     「体系的山道具考」(笹原芳樹、ヤマケイ新書)¥800+税

C)     推薦図書(事故や遭難の実体を知る):

     「遭難のしかた教えますー安全で確実な登山のための辛口レクチャー」(丸山晴弘、山と渓谷社、2011)遭難全般を網羅した小冊子(200頁)\952+

     「ドキュメント 滑落遭難」(羽根田 治、山と渓谷社、2008)取材に基づく事例集。「埼玉県警山岳救助隊からの報告」を含む。(200頁)\1600+税

     「生還ー山岳遭難からの救出」(羽根田 治、山と渓谷社、2000 7つの生還事例からの教訓。(250頁)\1600+税

     「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのかー低体温症と事故の教訓」(羽根田 治他、山と渓谷社、2010)事例を検証した読み応えがある本(300頁)\1600+税、遭難事故データの収集と解析、さらに対策

       「山岳遭難の構図ーすべての事故には理由がある」(青山千彰、東京新聞出版局、2007

D)    学習会や研修会の例

     新ハイキングクラブ 「お山の教室」

     日本山岳協会 中高年指導者安全登山講習会などハイレベル

     神奈川県山岳協会 講習会初級から上級まで(歩行技術、救急救命法など)

     東京都山岳連盟 多彩な登山講習会(岩、沢、雪山、気象、遭難対策)

     日本山岳ガイド協会 各種マニュアル(有料)、初心者のための講座もあり、主としてガイド養成目的

     業社による研修会、スポーツ店の講習会

1.      毎日新聞旅行(雪上訓練、安全登山教室)、

2.      クラブツーリズム(山旅スクール)

3.      かもしかスポーツ店

5.      山行に、従来のグレード区分(G1-6)に加え、リスク区分(R1-3)をつける

A)     各山行のリスク区分は下記の通りです。

グレード表と総合して、グレードとリスクを判断し、参加時の目安にしてください。リーダーは計画時にリスク区分をお願いたします。

リスク(R

内容

R1

l  登山道は概ね整備済みで、転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い。

l  道迷いの心配は少ない。

R2

l  沢、崖、ハシゴ、鎖場、場所により雪渓や渡渉箇所などを通過。

l  道がわかりにくい所がある。

l  ミスをしたり転んだ場合、転落・滑落事故になる場所がある。

R3

l  厳しい岩稜や不安定なガレ場がある。

l  不安定な雪渓や多くの渡渉箇所がある。

l  ハシゴや鎖場が多い。

l  手を使う急な登下降がある。

l  深い藪こぎがある。

B)     上記の区分は、最近信州(長野)、山梨、新潟、静岡の4県で発表した「xx県 山のグレーディング」の技術的難易度をベースにしているので、関心のある人はそちらも参考にしてください。

C)     なお上記は、規約の変更にあたるので、規約第12条に基づき、例会において出席者の過半数の同意を条件に、変更することにいたします。規約変更案をご参照。

6.   支部長からのメッセージ:リーダーと山行参加者の心得
新ハイキングクラブ相模原町田支部は、楽しく安全を旨とした登山・ハイキング(山行)を通じて、技術の向上・普及とともに、支部員相互の情報交換・親睦および健康の維持・増進に寄与することを目的としている。
山行リーダーは、参加者に奉仕するボランティアの精神を持って、参加者の喜びを自分の喜びと感じ、安全で楽しくバラエティーに富んだ山行を計画・実施する。
計画は支部報に載せて、安全委員ほか支部員による検討を受けること。
歩行時間によるグレードのほかに、危険程度によるグレードをつけること。
リーダーはあらかじめサブリーダーを決めて、山行についてよく相談すること。サブリーダーは、リーダーを助けて参加者の安全に気を配り、万一リーダーに事故が起こった場合は、リーダーの代わりを務めること。

支部員は、山行のグレードに基づき、自己の責任において山行に参加する。
リーダーまかせでなく、自分で地図・コンパスを用意してコースの下調べをして臨むこと。
日頃から体力の鍛錬に励み、装備の準備・工夫を怠らないこと。