信州/守屋山・鉢伏山・鉢盛山

期 日:7月8日(日)~9日(月)一泊二日、曇り時々晴れ、晴れ

参加者:L吉田和興、宮澤恵子、助廣広子、上野 進、加納三喜男、計5名

費 用:¥19,000/人(宿泊スマイルホテル松本@3,300・交通費・夜飲食含む)

コースタイム:7/8(日)茅野1000=レンタカー=登山口1030-守屋山東峰1105-西峰11251200-登山口=鉢伏山荘登山口1535ー頂上15501600-登山口1615=スマイルホテル1710

7/9(月)ホテル5:30=波田支所6:00六兵衛小屋先林道ゲート710-登山道入口825-波田町避難小屋90510-分岐点945-鉢盛山頂10301110-分岐点1150-波田町避難小屋1215-登山道入口125055-六兵衛小屋先林道ゲート1345=波田支所=茅野駅17:30

8日、守屋山は諏訪大社の御神体、30分で登れ、日本アルプスが見渡せ諏訪湖が眼下に見え昼食も気分が好い。空気の澄んだ冬場に行くと良い。鉢伏山は晴れていれば360°の展望が得られるが生憎のガスの中、レンゲツツジが多く咲いていた。

9日、鉢盛山は松本市波田支所に、黒川林道の通行許可を得ておく必要がある。Webで申請書を取得しFaxで送付すると許可証を送ってくる。鍵は朝6時から支所の宿直室にて受け取れる。林道に入ってすぐ1番目のゲートがあり鍵をあける。悪路を路上の落石をのけながら1時間近く走ると、六兵衛小屋跡の空き地がありここに駐車する。更に12分走ると2番目のゲートがある。ここにも車が止められ一般的にはここまで。2番目のゲートに鍵は無く車は進入可能。2番目のゲートから林道歩き1時間強で登山道入り口に着く。頑張ればセダンでもここまでは入れる。ここから更に廃道となった林道を1時間弱歩いて波田町避難小屋に着き、ここから漸く山道となる。山名の通りこんもりとした山で、登りも緩やかである。ピークはシラビソで遮られている。直ぐ北の電波反射棟に行けば展望が得られる。本日も生憎の曇り空にて残念であったが、この時期の天気としては上出来。助廣さんに教えて戴いたオサバグサと言う、ユニークな葉を持つ花が満開であった。

尚、現在、朝日村からの鉢盛林道は廃道となっている為、鉢盛山に登るルートは黒川林道しかない。(吉田和興)

もりや山より諏訪湖を望む
守屋山頂上

鉢伏山頂上

鉢盛山頂

鉢盛山案内図




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富士山横断

期 日:7月16日()晴れ 17日()晴れ  一泊二日

参加者:L派田 正、澁澤和子  計2名

コースタイム:7/16 富士山駅8:3545-富士浅間神社(890m)9:1220-吉田口馬返し(1450m)12:0531-三合目(1840m)13:4043-佐藤小屋(五合目2230m)15:13-富士山安全指導センタ-(六合目2380m16:0010-白雲荘宿泊(八合目3200m)18:55

7/17 白雲荘2:00-久須志神社(3620m4:0045-剣が峰(3775m)5:5057-富士宮口八合目(3250m7:3240-六合目(2500m)9:0828-須山口御殿庭下(1940m)10:49-水ケ崎公園(1400m)12:3050-愛鷹登山口(700m)14:4515:16=バス=15:46JR御殿場駅

  7/16() 電車の車窓から、青空に聳え立つ富士山は白雪が少ないがとても美しい。天気予報の通り、今日は登山日和となり心弾む。富士山駅を定刻にスタート。市役所際の立派な大鳥居で富士山をバックに撮る。富士浅間神社で安全登山を祈願する。少し一般道を行き右折し、直ぐに吉田口遊歩道があり左折する、大赤松やナラ等の雑木林の中の緩やかな登りの砂利道を馬返しまで行く。中の茶屋は休みで休憩する所はない。日射しは強い、木陰が有るも、蒸し蒸し、大汗を流す。馬返しPの上の小屋で冷水の差し入れが有り、やっと一息つけました。ここから一合目、二合目、3合目はと少し急な山道となり、所々に丸太の段があるも歩き易い。ブナ、モミ等の樹林が多い。更に、4合目、5合目と標高が高くなるとシラビソ、ダケカンバ等の樹林が見られた。つづら折れの山道には少しの岩陵があり、そして丸太の段が多く、良く整備され歩き易かった。As道を渡り、少し登るとA s道ゲートに着く。更に登ると佐藤小屋に着く。五合目までの吉田口登山道は、時代の流れか登山客が少なく、全ての茶屋、小屋が廃業し惨めな廃屋を曝していた。来週の登山マラソンに向けて多くの老若男女が練習をしていた。

  佐藤小屋の前を通り抜けると広場が有り、前方が大きく開け、快晴の青空にくっきり、目立つ三ツ峠山、右に御正体山、丹沢山塊、左に黒岳、鬼岳等の眺めは素晴らしい。振り返り山頂を見やると沢筋の岩肌に残雪が見られた。左に登り経が岳を過ぎ山道なりに行くと六合目の広場に着く。富士スパルラインを利用した多くの登山客との合流点だ。ここから、土埃いっぱいの砂礫を踏みしめ、つづら折れの幅広い登山道を七合目まで行く。七合目から岩陵の道となり、とても歩き辛い。次々と現れる山小屋の前を通り勇気付けられ登る。岩上に赤い鳥居が見えて七合五勺。岩陵と砂礫の道を登って行く。右に吉田大沢を挟んで屏風尾根が高く見える。左上に亀岩を見ながら登った所が八合目。今宵の宿舎、白雲荘に無事に到着した。遥か下に富士吉田の町並みや河口湖や山中湖が白く見えた。ここで珍しい夕焼けを見ました。①富士山の影が雲に映り ②真上にオレンジ色の大きな渦巻き状の夕焼け雲。思いの外、登山客は少ない、今週末から予約客でいっぱいとのこと。

  7/17(火) 頂上で御来光を拝するため白雲荘を午前2時にスタート。快晴、満天星空。外気は10℃、強風。砂礫と岩陵の道を登ると本八合目で須走口からの道と合流。九合目、登山者も増えて他の人の足元を見ながら岩陵の道を登る。頂上の鳥居をくぐり久須志神社の前に着く。下方を見るとランプの揺れが続き幻想的な眺めだ。山中湖方向から夜明けとなり、山々にかかる雲間から真っ赤な太陽を見る。御来光を拝み、この素晴らしい空間を大いに楽しむ。剣ケ峰から火口の岩肌には多くの残雪を見る。剣ケ峰までお鉢めぐりをしながら遠く近くの山々を展望し楽しむ。剣ケ峰は写真家でいっぱいで順番待ち。

  浅間大社奥院から見下ろす、富士宮口登山道、新五合目Pは直下に見える急坂は無味乾燥をした岩肌が見えるのみでした。九・五、九、八、七、新七、六の各合目の山小屋で休憩、雄大な駿河湾や伊豆半島の展望と他人との会話を楽しむ。砂礫と岩陵の道を、土埃を被りながら一気に下った。

ここを左折して須山口登山道を下る。砂礫の山道を行き宝永第一火口縁に着き、宝永山と宝永火口の素晴らしい展望を楽しむ。火口縁に沿い第二火口縁に着くも同じ眺望でした。少し行くとダケカンバ、シラビソ、モミ、ブナ、雑木林等の樹林帯が広がる。この中を微かな踏み跡がみられる山道を標識を探しながら、御殿上、中、下を通り水ケ塚公園に着く。ゴルフ場に沿って雑木林を行き、キャンプ場入口から一般道を通り赤塚入口BTを経て愛鷹登山口BTへ無事に到着した。 (派田 正)

  費用 宿泊代 11食(カレーライス) 6,500

     水など 1本(500cc7合目まで 400円 8合目から上 500

     缶ビール 1本 6700

     愛鷹登山口~御殿場 バス 630


新装の富士山駅大鳥居

富士を背景に大鳥居

夕焼けのレンズ雲

久須志神社前の鳥居

剣ケ峰火口壁の残雪

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東北/飯豊山縦走

期 日:8月2日(木)~5日(日)前夜発三泊四日 晴、晴、晴、晴

参加者:L上野進、竹田さなえ、杉江秀明 計3

コースタイム:

8/2新潟駅456=中条5:28=(タクシー)=奥胎内ヒュッテ6:1535=(シャトルバス)=足の松尾根取付6:4555-休7:1525-岩場7:508:00-姫子の峰8:15-休(815m)8:3545-滝見場9:2035-休(1030m)10:0010-水場分岐10:3511:30-休11:5512:00-休(1365m)12:3040-休-西の峰13:25-大石山13:3514:05-鉾立峰15:0040-朳差小屋(泊)16:20

8/3朳差小屋6:15-朳差岳6:2035-朳差小屋6:4550-鉾立峰7:3545-休8:2030-大石山8:4555-頼母木小屋9:4510:25-頼母木山10:45-地神山北峰11:1525-地神山11:4012:10-扇の地神12:4045-門内小屋13:1030-休(1905m)14:1020-北股岳14:4015:00-梅花皮小屋(泊)15:30

8/4梅花皮小屋4:15-休4:3545-梅花皮岳4:55-烏帽子岳5:2535-御手洗の池6:3550-天狗の庭7:3035-天狗岳8:1020-御西小屋8:359:20-大日岳10:4011:00-休11:4045-御西小屋12:2013:10-休14:0005-飯豊本山14:3550-本山小屋(泊)15:05

8/5本山小屋5:00-姥権現5:4550-休5:556:00-切合小屋6:4555―種蒔山7:15-三国小屋8:2555-剣が峰9:10-休9:3540-峰秀水10:0015-横峰小屋跡10:35-休み(1215m)10:5511:00-上十五里11:1525-中十里11:5512:05-登山口12:35-御沢野営場P12:45

8/2(晴れ)今回は杉江さんの<避難小屋泊まり大縦走>初デビューで、本人は果たして歩き通せるか?不安を抱いての出発となった。前夜池袋を夜行バスで出発し、予定より早く新潟駅に到着し、456の電車に乗れた。当初越後下関まで電車で行き、タクシーで大石ダムに入り、権内尾根を登り、朳差岳に直接取り付くルートを計画していた。しかし破線ルートと標高差1400m、かなりの急登があるということで、奥胎内ルートに計画を変更した。なお竹田さんは2年前同じルートを歩いている。予約していたタクシーで奥胎内ヒュッテまで行き、その先足の松尾根までシャトルババスで入れた。約1時間の短縮となった。時刻表では平日は5時台と6102本だが、客がいれば何本でも出すとのことだった。4日分の食料等で荷物は18kg程。ゆっくりしか歩けない。朳差岳へは一番楽なルートということだが、かなりの急登でしかも尾根が痩せている。両側に潅木が無ければ、かなり怖いと思う。足元は木の根が多く、階段の役目をしている。樹林帯を登るので、直射日光は避けられるが、30分おき位に休憩を取りながら登る。途中鉾立の峰と思われる峰が見える。途中から樹林帯を抜けると、直射日光にさらされる。雨傘を日傘代わりに使った。1335やっと大石山に到着する。このまま直接頼母木小屋に行き、空身で?差岳をピストンしようかと竹田さんと話していたが、頼母木小屋まで50分がやけに遠く感じた。やはり直接?差小屋に行くことにした。鉾立峰へは140mほど下り150m登り返す。疲れてきているので、つらい登りだが、お花畑が出てきて、元気が出る。花の写真は明日にして、ひたすら登る。鉾立峰で大休止。?差小屋の100m程下に雪渓があり人影が見える。あそこが水場だと確認した。この天気だと2週間程で雪渓が無くなってしまうのではないかと心配になった。1620やっと?差小屋に到着。とてもきれいな小屋で管理人は入っていない。協力金も無し。小屋は空いており、2階もあるのでゆっくりスペースをとれた。サンダル、バケツ、ペットボトル、ござ等至れり尽くせり。トイレは外だが、きれいに管理されている。たっぷり水を汲んで、夕餉とした。途中大石山で会った、地元の単独行のおじさんの鼾には、悩まされた。

8/3(晴れ)今日は梅花皮小屋までの行程なのでゆっくり出来る。朳差小屋から朳差岳までは目と鼻の先。お花畑が見事。8月上旬までは、トップシーズンと思われる。花の名前は自信が無いが、とにかくここは、群生している花が多い。タカネマツムシソウ、ハクサンフウロ、エゾイブキトラノウ、タカネナデシコ等々。写真撮影に時間がかかる。頼母木小屋は頼母木山直下から水を引いており、奔放に水が流れている。ここで十分水を補給した。頼母木山、地神山、門内岳とおおらかな山並みが続く。西に二王子岳が大きい。2年弱前に二王子岳に登り、正面に飯豊連峰を眺め、ぜひ縦走したいと思ったものだ。頼母木山を過ぎると、東側に雪田が多くなる。相当気温が上がってきているので、雪田からの冷風が心地よい。北股岳から石転び沢を登ってくる、10名弱のパーティーが見えた。小屋の受付を早くしようと、小走りで降り、僅少差で先に受付することが出来た。利用料2000円。小屋では2階の奥のスペースをあてがわれた。ゆったりしたスペースでありがたい。この小屋は非常に設備が良く、トイレも建家内にあり水洗で気持ちよく使えた。水場は100m弱のところで、豊富に水が流れている。水槽が2つ置いてあり、ここで体を拭いてさっぱりした。ビール350ml、800円。納得して、飲んだ。

8/4(晴れ)明日の下山ルートの大嵓尾根の吊り橋が流されて通れないため、下山出来ないとの表示が小屋にあった。そのため川入りに下山するよう計画を変更した。出来たら水のある切合小屋まで行こうと竹田さんと打ち合わせした。天狗岳までの途中東側遠くに朝日連峰が望まれた。前方左手には飯豊本山へのなだらかなスロープが、前方右手には大日岳が近い。思ったよりなだらかな山様だ。大嵓尾根は鋸状の尾根で中止して良かったとしみじみ思った。御西小屋で早めの昼食を取り、ザックをデポし、空身で大日岳を往復した。ここから見ると大日岳はとても立派に見える。大日岳から続くオンベ松尾根はかなり厳しそうに見えた。御西小屋から飯豊本山へはゆったりした山裾を行く。雪田が消えたばかりの所に、チングルマが群生している。またニッコウキスゲも群生しており、とても見事だ。飯豊本山から今日来た道を振り返り、感慨無料であった。本山小屋には15分程で着いた。小屋の前で、明日の下山ルートや温泉のことを話していると、郡山から単独で来ている男性が、温泉に付き合ってくれるなら、僕の車に乗せてあげてもいいですよ、と言ってくれたので、即飛びついた。又、小屋の管理人がいつも土曜日は空いていて、もう人も来ないようなことを言うので、ここに泊まることにした。この管理人は、色々うるさいルールを述べ立て、夕食は外でしろ、外のトイレは、1回目は100円入れろ等余り感じが良くなかった。利用料2,500円。水場は往復15分ほどということだったが、水量も少ないらしく、水汲みに行った竹田さんが一向に帰ってこなかった。1階の一角をあてがわれ、寝床の準備をしていると、案の定続々と宿泊者が来、結局詰め込まれた。テーブルやベンチも無いので、適当なスペースを見つけて、ささやかな酒盛りをした。

8/5(晴れ)郡山の人は何度も飯豊に来ているということで、先頭を歩いて頂いた。今日も気温が高く、日差しもキツイ。やや熱中症気味になる。切合小屋は水が豊富で、有難かった。小屋はかなり古いようだ。三国岳から先は剣ケ峰が続くということで、ストックを閉まって歩く。杉江さんは本格的な岩場は初めてということで、かなり緊張したようだ。地蔵山分岐の少し下の登山道に峰秀水という水場が有り、甘露水が豊富に湧き出ていた。まさに命の水だ。思う存分喉を潤した。1245に御沢野営場Pに着いた。このルートは飯豊本山へ登る最もポピュラーなルートだが、中々厳しいと感じた。

杉江さんはこの縦走を歩き通して、だいぶ自信がついたようだ。「俺健脚かな?」

ここで昼食を取り、郡山の人に載せていただき、山都駅の近くの温浴施設で、汗を流した。途中猪苗代湖、磐梯山の景色を堪能しながら郡山駅まで送って頂き、新幹線で帰途に着いた。                          

費用: 交通費11,000(夜行バス5,250、JR740、タクシー3,340、お礼1,670

宿泊費4,500、風呂300 計15,800                                                 (上野 進)

 


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丹沢/葛葉川本谷()

期 日:8月5日(日)晴れ

参加者:L宮島陽子、黒澤正弘、小梶昌弘 矢澤孝二 安瀬はる江、派田正、松宮俊彦、助廣弘子、小磯登志子、山口音子 計10名

費 用: 渋沢駅~葛葉の泉 タクシー代 約2,000/1台  大蔵~渋沢駅 バス代 200

コースタイム: 渋沢駅8:30=タクシー=葛葉の泉8:459:25F2先で休憩10:2040F4先でお昼休11:5012:10-大平橋13:15-牛首13:3555-大倉15:1040=バス=渋沢駅16:00

葛葉の泉で、沢の装備をする。今日は晴天の日曜日、葛葉の泉は沢登りのパーティでいっぱいである。橋を渡って沢の右岸の踏み跡を辿り、堤防を越えた辺りで入水する。初めから小滝が続くが、なるべく沢の本流を歩く。F1(三段滝)F2(横向きの滝)はザイルを出し、トップロープ(自信のある者はノ―ザイル)で登る。F2の先の広く日当たりの良い河原で休憩する。次のF3(幅広滝)で、トップロープや懸垂下降の練習をして、1時間ほど水と戯れる。F4(二条滝)の先で昼食とするが、男性軍はのんびり日向ぼっこをしている。次のF5(立板の滝)が今回の一番の難所であるが、シュリンゲやザイルでの確保により、何とか乗り切る。その後F6(階段状滝)F7(曲り滝)と滝は続くが、それほど難しくは無く、階段状の沢を楽しむ。しばらくすると林道が見えて来る。計画ではさらにF12まで沢を登りつめる予定であったが、混んでいた事もあり、懸垂下降・トップロープ等のザイルワークの練習を組み入れたため、今回はここまでとする。大平橋の下をくぐると左に林道へと続く踏み跡があり、簡単に林道に出る事が出来る。女性は誰も来ない林道で、男性は牛首で着替えて、大倉まで下る。通常初心者はF1F5は巻き道を利用して滝の直登は避けるが、今回全ての滝を登る事が出来、参加者の協力に感謝する。葛葉川は沢の入門とされているが、入水からずっと変化にとんだ滝が続き、滝を直登するか巻くかを、パーティが選択できるので、多くのパーティが楽しめる沢だと思う。(宮島陽子)

 

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八ヶ岳/赤岳~権現岳

期 日:8月18日()~19日() 1泊2日 曇り後雨/晴れ後曇り一時雨

参加者:L冨重正樹、上野進、佐藤邦弘、山口音子 計4名

コースタイム:清里駅6:51=美し森入口6:567:02-美し森7:11-羽衣の池7:3440-賽の河原8:33-牛首山9:4755-赤岳14:0107-赤岳天望荘14:37()5:33-赤岳6:1625-キレット小屋8:38-ツルネ9:22-権現岳10:5711:22-三ツ頭12:0615-前三ツ頭12:4555-天の河原15:12-天女山駐車場15:2258=延命の湯16:2617:12=小淵沢駅17:19

費 用:清里駅=美し森入口 タクシー 1070

天女山駐車場=延命の湯 タクシー 5660

延命の湯=小淵沢駅 タクシー 1700

赤岳天望荘 1泊2食付 9000

延命の湯 入浴 600

報告の前に今回の反省。係の手配遅れで宿泊予定だった頂上小屋が満員、赤岳天望荘に変更になり、参加者の皆さんに1時間程余計に歩かせてしまい御迷惑をおかけしました。今後は早目の手配を徹底します。

朝一番の小海線に乗り、清里駅からタクシーで美し森入口まで入りました。美し森へは階段が延々と続きます。売店がある山頂からはこれから登る赤岳の堂々たる姿が印象的です。湿地化した羽衣の池を見ると本格的な登りが始まります。賽の河原までは笹が被り気味で真教寺尾根はあまり歩かれていないようです。所々咲き残るハクサンフウロ、マツムシソウ、オオビランジ、コバノコゴメグサを見ながら牛首山へ登り着きます。真教寺尾根の中間点です。ここからしばらくは針葉樹林のなだらかな道で林床にはトモエシオガマの群落が続きます。胸を突く急登にさしかかった辺りから雲行きが怪しくなり遠雷も聞こえてきました。近づいてこないことを祈りつつ明るく開けたガレ場の尾根を登って行くと切り立った岩場に突き当たります。鎖が2ルート下がっていますが、左側の方が手掛かり・ステップ共に安定しています。その後も縦走路に出るまで鎖が多数現れますが、登りではあまり使うことはありません。少し雨に降られましたが縦走路に登り着く頃には止んで、ガスをまとわりつかせた八ヶ岳連峰がさながら南画のようです。赤岳を越して今宵の宿、赤岳天望荘へ。ガラガラの急な下りは先程の雨で滑りやすくなり最後まで気を遣いました。赤岳天望荘は増設を重ねた迷路のような山小屋ですが、天水利用にも関わらず4~5人入れる男女交代制の権右衛門風呂があり、食事は朝晩共にバイキング形式、セルフサービスでお茶・コーヒー・お湯が飲み放題ととても良心的、部屋も綺麗です。1人1畳くらいでゆったりと休むことができました。ここは布団や毛布ではなく寝袋です。

2日目、好天の朝を迎えました。赤岳への登り返しではブロッケンがひっきりなしに現れます。赤岳の山頂からは一面の雲海の上に南・中央・北アルプス、浅間山、金峰山、富士山と大パノラマです。満員御礼の山頂を後にし文三郎道分岐から先は静かな八ヶ岳に戻ります。キレットまでは梯子・鎖・急なガレ場の下りと気が抜けませんが、ガスが取れてきた権現岳や天を突くような阿弥陀岳、そして足元にはコマクサの群生が厳しい下りの慰めになります。傾斜が緩み針葉樹林に入り野辺山側を巻くようになるとまもなくキレット小屋に着きます。水場もある綺麗な小屋です。振り返ると赤岳が岩塔をいくつも従えて威圧的です。権現岳へは少し足場の悪い登りで尾根に戻りやがて樹林を抜けます。ツルネにかけては展望の良い尾根歩きですが、この頃からガスが上がってきて雨もパラつくようになりました。旭岳は諏訪側を巻いて最後に61段の長い梯子と鎖で権現岳と編笠山の分岐、権現岳は左へ一投足です。岩が積み重なった天辺に山名板が際どく置かれています。直下の広場はナデシコやイワギキョウ、ツリガネニンジン、イブキジャコウソウのお花畑になっています。いつしか雨は止み編笠山やギボシも見えるようになってきました。厳しい登り下りで時間と体力を消耗してしまったので青年小屋から西岳へ向かう予定を変更して天女山へ下山することにしました。下り始めてすぐ鎖場がありますが、概ね歩きやすく花の多い道です。前三ツ頭からは急な下りが続き、緩くなると八ヶ岳独特の長い裾野歩きが始まります。真教寺尾根と違って良く整備されていますがとにかく長い。天の河原で観音平への道を分けるとゴールの天女山駐車場はまもなくです。タクシーで小淵沢駅近くの延命の湯へ、汗を流し再びタクシーで小淵沢駅へ出ました。

少し雨に降られましたが、思いの外花も残っていて暑さ知らずの2日間でした。(冨重正樹)

 


赤岳頂上

富士山を望む

赤岳南壁

キレットへの稜線

大天狗、子天狗

権現岳へ最後の登り

権現岳山頂


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北ア/有明山

期 日:8月26日(日)晴れ 日帰り

参加者:L安瀬はる江、矢澤孝二、宮澤恵子(前泊)、助廣弘子、上野 進、峰尾欽二、杉江秀明、白鳥松男(穂高駅集合)  計8名

コースタイム:八王子駅0:51=(ムーンライト信州81号)=穂高駅4:535:05=(タクシー)=馬羅尾沢登山口5:4052―休6:4050-二股7:2740―休8:3040-落合9:3145―休10:1830-休11:1015-有明山北岳11:4812:51―休14:0415-休15:0515-有明荘15:5817:00=(タクシー)=穂高駅17:38

大糸線から眺めていつかはと思っていた有明山だった。信濃富士といわれ端正に見えたが、間近にすると筋骨たくましくどっしりとした山容だった。昨年は雨で中止したが、当日は上々の天気だった。しかし、残暑が厳しかった。

コースの状況を松川村役場に問い合わせると、有明山登山案内組合の組合長を紹介された。何回か連絡を取り現状を把握した。すると毎回、最後に「厳しい山ですので、充分注意してください」と言葉添えされた。確かに標高差1300m位で、登山技術が集大成されたコースだった。

登りは沢、急登の山腹、岩稜の痩せ尾根と明瞭に三分割されていた。最初は馬羅尾沢沿いに飛び石や丸太橋で数回渡渉していく。中でも細い丸太を束ねた5m位の橋は難儀した。沢が二股に分かれ、左股に進むとすぐ不動滝だった。水を補充し、沢歩きになる。葛葉川での経験が生かされた。水量や流れは気にならないが石にぬめりがあった。

沢から離れると深い笹の樹林になる。鼻が突きそうな急登を喘いでいると、若い男性が追いつく。道を空けたが同行を希望される。大岩を過ぎると稜線が見えたが、西に巻いていき高度が上がらない。辛抱の歩きだった。やっと稜線上の落合に着く。黒川林道からの合流点で、大休止する。ここで若い男性は先を急ぐ。

ここからは痩せた岩稜だった。信仰登山の名残で小祠が2,3あった。アルミや丸太の梯子、ロープ、岩場の繰り返しだ。樹間から安曇野の里が見下ろせた。白花のツルリンドウ、アキノキリンソウ、ミヤマママコナがちらほら咲いていたが、癒される程ではない。

こちら側が表参道で金属製の鳥居をくぐり有明山山頂の一つ北岳に着く。10名位のパーテイーが下山するところだった。南北に細長い山頂だ。有明山神社奥宮の社殿はあったが、三角点は隣のピークに移動していた。期待した北アルプス表銀座の稜線はガスの中だった。アルプス三大急登のブナ立尾根を眺め、こちらの方がきついと愚痴る。矢澤さんと先端まで行く。地図と中岳、南岳の社殿の位置が合わず、山名板もなく、中岳、南岳の特定は出来なかった。

中房への下山ルートも厳しい。皆で注意を喚起しあう。山頂から北西の尾根を巻いて行く。西南西に方向が変わると急下降になるが、すぐ登り返す。枝尾根を次々越えていくU字状のルートになり、登り返しの方が長い。鎖で垂直に近い岩場を登る所もあった。このためなかなか高度が下がらない。途中、山頂で入れ違いに下山したパーテイを追い越す。足を挫いた方が出て仲間に援助されていた。

1700m位でやっと緩やかになる。三段の滝への道を右に分けるとまもなく有明荘の駐車場に飛び出した。思わず皆で万歳三唱をする。

閉館1時間前の有明荘の温泉に浸かり、穂高駅近くの「一休庵」でビールとおいしい雪明かりそばで、打ち上げにする。

稀に見る個性的なルートで厳しい山行になりました。参加者の高い意識と能力で滞りなく無事に下山でき、達成感と感動を得ました。今回の収穫です。ご協力ありがとうございました。帰路、穂高駅のホームで見た有明山には皆の足跡が刻まれていた。(安瀬はる江)

 タクシー            穂高駅~馬羅尾林道終点     1070円/一人(ジャンボタクシー)

                   有明荘~穂高駅            1800円/一人

有明荘入浴代                     300円(割引デー通常500円)


不動滝

落合

カニの横ばい

岩場にかかる梯子

ヤマハハコ(有明山南岳)

馬羅沢徒渉

大岩

有明山北岳山頂

登頂後の笑顔


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富士/毛無山

期 日:9月6日(水) 曇り 日帰り 

参加者:L派田 正、宮澤恵子、渋澤和子、加納三喜男、武末範子  計5名

コースタイム:JR古淵駅6:30=自家用車=JR下部温泉駅9:5010:00=毛無山登山口10:3040山の神11:5458-中山金山遺跡12:14-水飲み場(昼食)12:3058-地蔵峠13:0711-毛無山(1964m)14:1845-地蔵峠15:4048-中山金山遺跡16:00-山の神16:10-毛無山登山口16:4254=自家用車=JR下部温泉駅17:1518:00JR古淵駅

  前日朝の天気予報で当日の天気が“曇り小雨”へ変わり心配。当日、東名高速から眺めた富士山は山頂部で雲を見るも稜線はくっきりと。終日、“曇り時々晴れ”の登山日和でした。

  JR下部温泉駅を車でスタート。田貫湖へ抜ける林道は土砂崩れで通行止め。開通は未定。林道は狭いが通行に支障はない。落石が多く片付けながら進む。湯の島集落を過ぎ、少し行くと毛無山登山口に着く。ここには登山者用に立派な駐車場(5~6台)が新設され、安心して駐車。

  登山道の案内板脇を抜け山道を行く。雑木林は深く、眺めを遮る中の歩き易い山道を行くと手入れが行き届いた檜の植林を見る。素晴らしい眺めだ。灌木林が多いジグザクの山道を登ると、やがてミズナラの大木が目印の”山の神”でわずかに展望が開ける。さらに登ると中山金山遺跡に着く。案内板には往時の事柄が説明されていた。山道沿いには隆盛時を表わすのか 女郎屋敷跡と大名屋敷 跡の看板が立つ。少し行くと沢の合流点”水飲み場”に着き昼食。ここまでは展望なしの樹林帯で路面が優しく歩き易かった。少し登ると地蔵峠。ここから山頂までシラビソなどの針葉樹が多く展望も無し、紫色の花を付けたトリカブトの群生地が多い。山道は岩片が多く滑り易く歩き難い、且つ、急坂な個所が多いので要注意。パノラマ台と結ぶ山道は現存しない。地蔵峠付近と毛無山付近から麓に向かう分岐点が在る。樹林帯を抜けると開けた毛無山の山頂(1964m)に着く。富士山方向のみ展望が開けている。今日は残念ながら富士山は雲の中でした。

  休憩。登ったルートを折り返し下りルートにする。地蔵峠までの樹林帯の山道は滑り易いので特に注意して下る。中山金山遺跡から下方向の山道は歩き易く植林帯・潅木林のジグザク道を一気に下り登山口に着く。難しい日帰り山行計画でしたが皆様のご協力で無事に終えることが出来ました。ありがとうございました。下部温泉で汗を流し、帰路に着きました。 (派田 正)

※ 交通費:高速料金+ガソリン代=3300円/1人 

  下部温泉・かがみや旅館 入浴料800円


毛無山山頂

毛無山山頂

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奥秩父/三本木~魔子

期 日:9月12日()日帰り 晴れ時々曇り後にわか雨

参加者:L助廣弘子、宮澤恵子、本山まり子、鎌田文子、黒澤寿子、大関史郎、小磯登志子、粟野秀穂、山口音子 計9名

コースタイム:八王子駅6:40=和田峠8:559:051246.7m三角点9:101351m10:051460m10:4550-三本木(1661.4m11:40-鉄塔台地11:5012:20-道標13:10-「魔子の穴」13:25-展望台13:30-魔子の山13:40-金山峠14:00-瑞牆山荘14:0520=八王子駅18:10

費 用:貸切タクシー代+高速料金 35000円 増富佼成寮 入浴 500

4月以来久しぶりの支部L山行。和田峠をうまく特定出来るか心配だった。車は増富ラジウムラインから本谷川を渡って北へ登って行く。細いがちゃんと舗装された道を登りきって、鬱蒼とした山林が開けて左手に別の林道が現れた地点が和田峠だった。身支度する私たちに、「こんなところに歩く道はあるの?」と今度は石黒さんが心配してくれた。右手の樹林の中へ踏み跡が登っている。恐る恐る登ってみると、明るい樹林の中にしっかりした道が続き、すぐに1246.7mの4等三角点に出た。その先で右へ曲がる地点にはピンクのテープがあり、昭文社の地図には破線さえないが、このルートは結構歩かれているようだと、安心した。けれども、尾根上にはいくつものコブがあって、特に急登ではないが、かなりしんどい。1351m圏には西峰と東峰があり、西峰へ行ってみたが何の表示もなかった。行く手に立ちはだかる1390m圏の峰を、たまには楽してみようと右に巻いてみたところ、思ったより尾根から離れてしまって、尾根に戻るトラバースが長くなった。結局、常に尾根上を行くのが正解なのだろう。ピンクテープはすぐ見なくなったが、赤い頭の境界指導標が立ち、立ち木の赤ペンキや赤テープはいたるところに見られた。

1460m圏で休憩する。南にも北にも尾根が延びている。進むべきは東なのだが、つい不用意に北へ歩きだして、本山さんに声をかけられた。広い薄暗い斜面を下りて南東へ向きを変えながら上って行く。辺りは概ねカラマツ林で、反対側は巨木も交る自然林になっている。足元にはコアジサイやハギ等の若い灌木、ウラハグサ、チジミザサ、タガネソウ、タデ等の若い草が茂り、濃い緑が目に美しい。刈り払いされている証拠だろうか。フシグロセンノウとアキノキリンソウの小さい花が咲いていた。

1600m圏には大岩があり、真ん中から取り付いて、左へ巻いた。尾根は岩っぽくなり、コメツガやシャクナゲが枝を広げて邪魔をするようになり、慎重に進んで1661.4m三角点(三本木)に到着した。標識はない。山頂は狭いので、送電鉄塔が立っている台地まで下り、特異な山容を見せて聳える瑞牆山を正面に見ながら昼食を取った。見えるはずの金峰山は灰色の雲に頭を隠していた。

その後、岩交りのコブを越えながら進む。1690m圏は岩稜帯で、尾根上を行くことが出来ない。どのルートを行くか、本山さん、鎌田さん、小磯さんがそれぞれ見に行って下さり、助けられた。結局かなり南へ巻き下ってから東へ進み、広い薄暗い鞍部へ出た。ここで、黒澤さんが「本谷釜瀬林道」の標識を見つけてくれてひと安心。ここからは、整備された道となり、地図に記号が載っている岩稜もちゃんと巻いてあり、心配なく歩けた。「魔子の人穴」とは、赤子を取って喰ったという魔子爺の住処だとか。深い穴の入口の木柵は壊れていた。標識に導かれて「展望台」へ出る。瑞牆山方面は黒雲が湧いて今にも降りそうだ。

足を速めて魔子へ向かう。樹林の中に瑞牆山荘の赤い屋根が見えてきた。「魔子の山」の標識の前で記念写真を撮るころ、雨がポツポツ降ってきた。カラマツ林の中を急に下って15分で金山峠に出る。傘をさして瑞牆山荘まで行くと、石黒タクシーが待っていた。石黒さんが、立ち寄り温泉の旗を出していた立正佼成会の寮を見つけて先に交渉しておいてくれたおかげで、女性陣は大きい浴槽でゆっくり入浴できた。食堂でビールを頼むと、つけものを色々出してくれて、親切な寮だった。(助廣弘子)


三本木にて

瑞牆山

魔子の山

魔子の山

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丹沢/塔ノ岳

期 日:9月15日(土)晴のち曇り、とどき雨がぱらつく

参加者:L佐藤邦弘、長谷千秋、神谷吉明、加納三喜男、杉江秀明 計5名

コースタイム:渋沢駅7:18=大倉7:317:40-観音茶屋8:068:11―見晴茶屋8:348:40-駒止茶屋9:27-堀山の家9:5010:00-天神尾根分岐10:2010:30-花立山荘10:5711:10-塔ノ岳山頂11:4512:40-金冷シ12:57-小丸分岐13:2013:30-小丸尾根(訓練所尾根)下山口15:17-二俣15:21-大倉16:40

 最初に当初の計画したコースを変更したことをお断りしておきたい。塔ノ岳~塔ノ岳西尾根~尊仏ノ土平~鍋割山北尾根~鍋割山~後沢乗越~大倉というのが当初の計画したコースであった。しかし、この日のむし暑さや参加者5人の個々の体調、体力、脚力などの状態からみて、5人全員がつつがなく下山できる見通しが厳しい状況となった。このため塔ノ岳山頂において5人全員の合意のうえ、予定のコースを変更することを決断し、上記コースを選択した。

 小田急線渋沢駅前のバス停では大倉行バスを待つ登山客はそれほど多くはなかった。きびしい残暑が続いており、勝手な想像だが、この時期、丹沢に登ろうというひとのほとんどは近距離に住む丹沢好きの人間か、忙しくて北アルプスなどの高峰に行けないひとなのだろうと想像した。

今日のコースは容易ではない。事前に短い休息をこまめにとることを前提に予想タイムをはじきだしてみた。7時55分に大倉を出発すると仮定して、塔ノ岳山頂12時00分、尊仏ノ土平13時30分、鍋割山14時55分、後沢乗越16時10分、二俣16時45分、大倉18時25分という予想タイムとなった。日没は17時50分ごろとすると下山路の西山林道の途中からライトを点けての歩きとなる。西山林道は広い道で、ライトを点けて気を付けて歩けば大丈夫だろうという腹づもりであった。

 バスは7時31分に大倉に到着。空は青く日射しもつよい。今日も残暑が厳しいお天気模様である。丹沢の麓の大倉から丹沢の山なみははっきりと姿を現し横たわっている。下山時刻が遅くなることを見越して、みんな素早く身支度して出発した、

登山道は視界のない森林のなかを登っていく。日射しは森に遮られているが、身体から汗がとめどなく噴き出てくる。水は2リットルを用意して、休息のときは必ず水を口にする。ときおりすずしい風が身体に当たり、気持ちよい気分に一瞬浸る。約30分歩くたびに休息をとりながらひたすら登り続ける。にぎやかにおしゃべりするわけにはいかず、黙々と足を運ぶ。花立山荘に近づくとパッと視界が開けて明るくなり、秦野の街並みや箱根、丹沢の山なみが眼に飛び込んできた。

4時間をかけて11時45分に塔ノ岳山頂に到着。5人のなかには体調の不具合にもめげず、体力気力を振り絞っての山頂到達であった。すぐにこれから後のコースを検討する。5人全員が無事下山することを目指すことを確認し、予定のコースを断念することで一致。塔ヶ岳山頂から西の眼下に見える尊仏ノ土平の姿を胸に焼き付けて次の機会を待つことにした。下山ルートは金冷シ~小丸尾根(訓練所尾根)~二俣~大倉を実際にはとったが、金冷シから鍋割山の頂上を踏んで後沢乗越を経由して大倉にでるかどうかは小丸尾根分岐での判断とした。ここでたっぷりと昼食休憩し後半に備える。休憩中にガスが湧き出てきて遠望が利かなくなった。

小丸尾根(訓練所尾根)は道が荒れている。道標などは僅かしかみなかったが、よく歩かれてはいるとおもわれ、幅が広いところになるといくつもの道が無意図的に無造作につくられてしまっている。それはどの道を選べばよいか迷わせ、気持ちを疲れさせる。石ころも多い。歩きづらい長い尾根を飽き飽きしながら降って、二俣に続く林道に出た。そんなわけで今回歩いてみてあまり利用したくない尾根という印象をもたらざるをえなかった。

 西山林道も単調で長い。二俣を通過するとき空を見上げると雨模様で、あたりは暗くなっている。まもなく雨がぱらっと落ちてきた。帰路立ち寄る予定の温泉と冷えたビールをたのしみにして5人は大倉バス停に急ぐ。ようやく林道を抜けて大倉に着くと空は青く晴れわたり、雲がぽっかりと浮かんでいた。

最後に大倉尾根の印象を付記しておきたい。

大倉尾根は塔ノ岳へ登る一般的コースである。しかしまた長くて単調な登りがずーっと続き、「バカ尾根」とも呼ばれて敬遠されがちである。この尾根を登るのは5年ぶりぐらいだろうか。たしかに変化のない登りが延々と続くが、多くの登山者によって荒らされる登山道は定期的に補修され、他の登山道とは違い、木道や木の階段などは無理な負担をかけずに歩けるよう親切な設計がなされているようにおもった。実際にそれらによって疲れるという気持ちは今回起きなかった。

 また、こまめに休息をとるよう心掛けたが、適当なところに茶屋がいくつもあり、休息場所のいい目印になり、気持ちの上で疲れを軽くしたようにおもう(休憩場所について丹沢に詳しいKY氏のからアドバイスを頂いた)。今回、観音茶屋、見晴茶屋、駒止茶屋、堀山の家、花立山荘の前で一息入れた。(佐藤邦弘)

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